今週の Claude Code・Codex・Gemini CLI 変更点まとめ(2026年9月13日週)
Claude Code 2.1.268/2.1.269、Codex CLI 0.154.0、Gemini CLI 0.59.0 の変更点をまとめます。権限ルールの抜け穴の修正、MCP 設定からの秘密情報の漏れ、Codex の破壊的変更を中心に解説します。
今週は 3 ツールとも、機能追加より権限とセキュリティの穴をふさぐ修正が目立ちました。とくに影響が大きいのは Claude Code 2.1.268 で、deny ルールが効かないケースが 2 種類修正されています。deny を前提にコードベースを守っている場合は、更新を優先してください。
対象は Claude Code 2.1.268 / 2.1.269、Codex CLI 0.154.0、Gemini CLI 0.59.0 です。
KEY POINT
この記事で分かること
- Claude Code の
denyルールがすり抜けていた 2 つのケースと、その修正 - Codex CLI 0.154.0 の破壊的変更(
codex mcp-serverの削除)と新機能 - Gemini CLI 0.59.0 に入った MCP 関連のセキュリティ修正
Claude Code
2.1.269
機能追加が中心のリリースです。
claude plugin eval: プラグインの eval スイートを Claude Code に対して実行し、採点済みで再現性のある結果(JSON と HTML レポート)を得られます。claude plugin eval --helpで使い方を確認できます/output-style [name]: 出力スタイルの一覧表示と切り替えができます。Remote Control 経由やクラウド・ヘッドレスセッションでも使えます- Bash の差分表示: Bash ツールがファイル編集を扱ったとき、変更されたファイルの差分がツール結果に含まれるようになりました。設定キーは
bashEditDiffEnabledです CLAUDE_CODE_WORKFLOW_MAX_CONCURRENT_AGENTS: Workflow ツールの 1 実行あたりの同時エージェント数の上限を 1〜256 の範囲で引き上げられます
権限に関する修正も 1 件入りました。! で始まる deny / ask ルールが、それを書いた設定ソースの外まで適用されてしまう問題が修正され、そのソース内だけに適用されるようになりました。単独の ! による否定は無視されます。
CLAUDE_CODE_BG_TASKS_REPORT_RUNNING=0 を設定すると、バックグラウンドエージェントの実行中にリモート・ヘッドレスセッションが「入力待ち」と報告していた従来の挙動に戻せます。
2.1.268
今週いちばん重要なリリースです。deny ルールがすり抜けていた 2 つのケースが修正されました。
- シンボリックリンク経由のパス: macOS の
/etc、/tmp、/var、Linux の/binのようなシンボリックリンクされたディレクトリに対するdeny/askルールが、実体のパスで指定されたときに適用されていませんでした。逆に、シンボリックリンク側の綴りで書いたdenyルールを Bash コマンドが無視する問題もありました env -Cやevalとの併用: 権限チェッカーが解析できないコマンドが同じ行にある場合、Read や Edit のdenyルールが適用されないケースがありました
どちらも「書いたはずの禁止が効いていない」という種類の問題です。deny で .env や認証情報を守る設計にしている場合は、settings.json で permissions を設計する の内容が前提どおりに動くよう、更新してください。
秘密情報の漏れも 2 件ふさがれました。
/mcpと/pluginのサーバー詳細、claude mcp list/get、MCP のログインエラーが、MCP 設定の${VAR}プレースホルダから解決した秘密情報をそのまま表示していた問題- プラグインとマーケットプレースのエラーが、git のソース URL に含まれるトークンやパスワードを表示していた問題
MCP 設定に環境変数で値を渡している場合は .mcp.json で環境変数を安全に渡す の運用が前提どおりになります。
そのほか、実務に影響する修正は次のとおりです。
| 変更 | 影響 |
|---|---|
サードパーティの Anthropic 互換エンドポイント(ANTHROPIC_BASE_URL)で全ターンが HTTP 400 になる問題を修正 | 2.1.265 以降で影響。該当構成なら更新が必須 |
| WebFetch が応答を閉じないサーバーで無限に待つ問題を修正。300 秒で失敗するようになった | CLAUDE_CODE_WEBFETCH_DEADLINE_MS で変更可(0 で無効) |
| 長時間アイドルのセッションが CPU コアを占有し続ける問題を修正 | 常駐運用で効く |
Codex
CLI 0.154.0
破壊的変更:codex mcp-server の削除
非推奨だった codex mcp-server エントリポイントが利用できなくなりました。このコマンドをスクリプトや常駐設定で使っている場合は、差し替えが必要です。
新機能は次のとおりです。
- GPT-6-Astra がモデルピッカーと Amazon Bedrock のカタログで選べるようになりました
- worktree サポート(実験的):
--worktreeまたは/worktreeで、新規セッションやフォークしたセッション用の独立したチェックアウトを作成し、あとから一覧・再開できます - 作業中のインライン回答: Codex が作業を続けたまま、候補の選択肢または自由入力で質問に答えられます。書きかけの入力は失われません
- Windows のバックグラウンドサーバー共有: Windows のセッションがバックグラウンドの Codex サーバーを共有できるようになり、デーモンのライフサイクル操作と管理された更新が入りました
信頼(trust)まわりの修正も入っています。起動時にワークスペースが信頼される前に PATH 上のヘルパーを実行しないようになり、macOS のサンドボックスがターミナルへの入力注入をブロックするようになりました。承認の扱いについては Codex の承認モードとサンドボックス を参照してください。
Python SDK(openai-codex==0.154.0)側では、推論の強度に max と ultra の値が追加されました。移行時の注意として、HookMetadata がハンドラを .root でラップするようになっています。hook.command のようなアクセスは hook.root.command に書き換え、ハンドラ固有のフィールドを読む前に hook.root.handler_type を確認してください。
Gemini CLI
0.59.0
リリースノートに載っている実質的な変更は 2 件で、どちらもセキュリティ修正です。
- MCP の OAuth メタデータ探索と認証における SSRF を防止(PR #29081)
- ワークスペース信頼を fail-closed にし、制限モードで
mcpServersを除外(PR #29099)
2 件目は、信頼されていないワークスペースで MCP サーバーの定義が読み込まれないようにするものです。リポジトリを clone してすぐ Gemini CLI を起動する使い方をしている場合、挙動が変わる可能性があります。MCP の設定は Gemini CLI で MCP サーバーを使う にまとめています。
用語解説
fail-closed: 判断がつかないときに「許可しない」側に倒す設計です。逆に fail-open は、判断がつかないときに通してしまう設計を指します。
今すぐ確認したいこと
- Claude Code を 2.1.268 以降に更新する(
denyルールのすり抜け修正) -
denyルールをシンボリックリンクされたパス(/tmp、/varなど)に書いている場合、意図どおり効くか確認する -
ANTHROPIC_BASE_URLでサードパーティのエンドポイントを使っている場合、2.1.265〜2.1.267 に留まっていないか確認する -
codex mcp-serverをスクリプトで使っていないか grep する - Gemini CLI を使っていて、信頼していないワークスペースで MCP サーバーを読ませていないか確認する
まとめ
- 今週は 3 ツールとも権限・セキュリティ修正が中心で、機能追加は Codex が最多
- Claude Code 2.1.268 は
denyルールのすり抜けを 2 件修正しており、更新の優先度が高い /mcpやclaude mcp listが${VAR}から解決した秘密情報を表示する問題も同リリースで修正された- Codex 0.154.0 は
codex mcp-serverを削除した破壊的変更を含む。worktree と GPT-6-Astra が追加 - Gemini CLI 0.59.0 は MCP の SSRF 修正と fail-closed なワークスペース信頼の 2 件
よくある質問
- 今週いちばん優先して対応すべき変更はどれですか?
- Claude Code 2.1.268 の権限まわりの修正です。シンボリックリンク経由のパスや env -C・eval を含むコマンドで deny ルールが効かない場合があったため、deny を前提にした運用をしているなら更新してください。
- Codex に破壊的変更はありますか?
- あります。非推奨だった codex mcp-server エントリポイントが 0.154.0 で削除されました。このコマンドをスクリプトで使っている場合は差し替えが必要です。
- Gemini CLI 0.59.0 は何が変わりましたか?
- MCP の OAuth メタデータ探索における SSRF の修正と、ワークスペース信頼を fail-closed にして制限モードで mcpServers を除外する修正が入りました。どちらもセキュリティ関連です。
参考にした一次情報
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