今週の Claude Code・Codex・Gemini CLI 変更点まとめ(2026年9月20日週)
Claude Code が AGENTS.md を直接読むようになりました。2.1.270〜2.1.277、Codex 0.155.0/0.155.1、Gemini CLI 0.60.0 の変更点と、先週の deny ルール修正が差し戻された件を解説します。
目次
今週の最大の変更は Claude Code が AGENTS.md を直接読むようになったことです(v2.1.277)。これまでは CLAUDE.md からインポートする必要がありましたが、CLAUDE.md のないリポジトリならそのまま読まれます。
もう 1 点、先週このまとめで「権限のすり抜けが直った」と紹介した 2.1.268 の変更が 2.1.273 で差し戻されました。該当する運用をしている場合は挙動が戻っている点に注意してください。
対象は Claude Code 2.1.270〜2.1.277、Codex CLI 0.155.0 / 0.155.1、Gemini CLI 0.60.0 です。
KEY POINT
この記事で分かること
- Claude Code の
AGENTS.md対応と、どちらのファイルが読まれるかの判定 - 先週紹介した deny ルールの修正が差し戻された件
- Codex の音声会話と Touch ID、Gemini CLI のセキュリティ修正
Claude Code
2.1.277:AGENTS.md 対応
公式の変更履歴には「プロジェクトに CLAUDE.md がない場合、Claude Code は代わりに AGENTS.md を読む」とあります。公式ドキュメントにも AGENTS.md の節が追加され、判定は次の表のとおりです。
| リポジトリの状態 | Claude が読むもの |
|---|---|
AGENTS.md があり、作業ディレクトリとその上位に CLAUDE.md / CLAUDE.local.md がない | AGENTS.md |
AGENTS.md と CLAUDE.md / CLAUDE.local.md の両方がある | CLAUDE.md のみ |
CLAUDE.md がすでに AGENTS.md をインポートしている | CLAUDE.md(インポート経由で AGENTS.md も含む) |
判定に数えられるのは、作業ディレクトリとその上位にある CLAUDE.md、.claude/CLAUDE.md、CLAUDE.local.md の 3 つです。~/.claude/CLAUDE.md、組織の管理 CLAUDE.md、.claude/rules/ は数えられず、AGENTS.md と並行して読み込まれ続けます。
既定を変えるには /config の Project instructions を設定します。
| 値 | 読まれるもの |
|---|---|
claude-md-or-agents-md | 既定。CLAUDE.md、なければ AGENTS.md |
claude-md-and-agents-md | 両方。各ディレクトリで CLAUDE.md の後に AGENTS.md |
claude-md | CLAUDE.md のみ |
managed-only | 組織の管理 CLAUDE.md とオートメモリのみ |
設定ファイルから指定する場合は、pluginConfigs の下に組み込みの agents-md プラグインの ID を書きます。プロジェクト設定とローカル設定では無視されます。
{
"pluginConfigs": {
"agents-md@builtin": {
"options": { "instructionFiles": "claude-md-and-agents-md" }
}
}
}
読まれないセッションがある
公式ドキュメントは、次の場合は CLAUDE.md だけが読まれ、/config に Project instructions が出ないと説明しています。v2.1.277 より前のバージョン、Amazon Bedrock などの第三者プロバイダやテレメトリ無効化により機能フラグを取得しないセッション、インストールや更新の直後の最初のセッション、disableAllHooks / allowManagedHooksOnly を設定した場合や組み込みの agents-md プラグインを無効にした場合です。これらの環境では従来どおり CLAUDE.md からインポートしてください。
3 ツールのコンテキストファイルの使い分けは CLAUDE.md・AGENTS.md・GEMINI.md の違いと共通化テクニック にまとめています。
2.1.276:ゲートウェイ利用者は必ず更新する
2.1.275 のリグレッションで、ANTHROPIC_BASE_URL がプロキシやゲートウェイを指している場合に 全リクエストが 400 … Input tag 'advisor_20260301' で失敗していました。2.1.276 で修正されています。該当する構成なら更新が必須です。
2.1.275:送信キーと claude.ai 連携
- 送信キー:
ctrl+enter(またはctrl+x ctrl+s)で現在のターンを中断し、キューに溜めたメッセージをまとめて送れます - スキルとプラグインの同期: claude.ai アカウントで有効にしているスキルとプラグインが、同じアカウントでサインインしたターミナルのセッションに同期されます。
syncClaudeAiSkills: falseとsyncClaudeAiPlugins: falseで無効にできます /plugin install <plugin> --marketplace <source>が追加され、マーケットプレースの追加を提案してからインストールします
2.1.273:先週の deny ルール修正が差し戻された
先週のまとめで「env -C や eval と同じ行にある場合に Read・Edit の deny ルールが効かない問題が修正された」と紹介しましたが、この 2.1.268 の変更は 2.1.273 で差し戻されました。変更履歴には「解析できない Bash の行(eval、env -C)で Read と Edit の deny ルールを確認していた 2.1.268 の変更を差し戻した」とあり、time -p make build のようなコマンドは拒否ではなく再び確認が入ります。
一方で、権限まわりの修正も同じリリースに入っています。
- 権限チェッカーが完全には解析できない Bash コマンドが
permissions.blockReadsOutsideWorkingDirectoriesの確認をすり抜ける問題と、bypass モードでサブシェルが危険なrmを隠せる問題を修正 - コンテキストメーターと自動圧縮が advisor ツールのターンを実際の約 2 倍のサイズで数えていた問題を修正。自動圧縮が実際のウィンドウの半分程度で発火していました
2 つ目は .env を deny で守る運用に直接関わるため、.env を読ませない deny 設定 の前提を確認しておいてください。自動圧縮のしきい値は autoCompactWindow の設定 を参照してください。
2.1.274:MCP まわりの修正
- Streamable HTTP の MCP ツール呼び出しが、サーバーごとに長い
timeoutを設定していても約 5 分でタイムアウトする問題を修正 CLAUDE_CODE_MCP_STARTUP_WAIT_MSを追加。非対話の最初のターンが接続中の MCP サーバーを待つ時間を制限します(0で待たない)httpとして設定したが旧来の HTTP+SSE しか話せない MCP サーバーが、最初のリクエストに 422 などの 4xx を返して接続できない問題を修正
MCP の設定は MCP サーバーのセットアップ にまとめています。
2.1.271 / 2.1.270
allowed_domainsのコマンド単位指定: サンドボックス有効時の auto モードで、Bash・PowerShell・Monitor にコマンドごとのallowed_domainsを指定できます。そのコマンドに必要なホストだけが開かれ、他は拒否されますomitClaudeMd: エージェントの frontmatter と--agentsの JSON に追加され、カスタム・プラグインのサブエージェントをユーザー・プロジェクト・ローカルのCLAUDE.mdなしで実行できます。管理ポリシーのファイルは読み込まれます- Bash の権限チェックの取りこぼし修正が複数(ワイルドカード展開先のファイル、
fmtやcolumnが読むファイル、変数宣言フラグによる偽装、cdを 2 回含むコマンド) - 2.1.270 では、セッションをしばらく動かした後に読み取り専用の git コマンドが権限を求めてくる 2.1.269 のリグレッションを修正
Codex
CLI 0.155.0
/voiceによる音声会話(実験的): ライブの文字起こしとマイク操作付きで、/experimentalから有効にします。対応ビルドのみ- TUI がステータス行に推論サマリーをライブ表示し、ターン成功後に完了時刻を表示
- エージェント一覧でタスクの非表示・アーカイブ・削除ができ、worktree の所有者情報の表示と、クリーンな管理 worktree の削除確認が追加
- 対応 Mac のローカル TUI セッションで、MCP のリクエストに Touch ID の確認を追加
- Amazon Bedrock が設定済みコマンドから AWS 認証情報を取得できるようになり、キャッシュと期限に応じた更新に対応
修正では、WSL の制限付きサンドボックスからの Windows プロセスの脱出をブロックし、ブローカー経由のシェルのスナップショットを認証情報の露出に対して強化しています。
CLI 0.155.1
新規のローカル TUI セッションで推論サマリーを既定で無効に戻しました。これに対応していないプロバイダがリクエストを拒否する問題の修正です。明示的に指定した設定はそのまま尊重されます。
承認とサンドボックスの関係は --full-auto は何をするのか を参照してください。
Gemini CLI
0.60.0
リリースノートに並ぶのはほぼすべてセキュリティ修正です。主なものを挙げます。
| 変更 | 内容 |
|---|---|
| web fetch | 宛先の検証と接続経路の扱いを改善 |
| MCP OAuth | RFC 9207 の発行者識別を強制 |
| macOS Seatbelt | サンドボックス用の一時ディレクトリを分離 |
| 拡張機能 | パス解決と境界検証を強化。環境変更時に同意を求め、実行時に影響する環境変数をサニタイズ |
| chrome-devtools-mcp | ハードコードされていた Google CrUX API キーを削除 |
| ワークスペース境界 | コマンドの安全性判定とファイル探索で、境界チェックとシンボリックリンク解決を強化 |
| システム設定 | システム全体の設定パスに対する権限と所有者のチェックを厳格化 |
| Windows | NTFS の 8.3 短縮名(SFN)パスを緩和 |
用語解説
NTFS の 8.3 短縮名: Windows が長いファイル名に対して生成する PROGRA~1 のような短い別名です。同じファイルを別の綴りで指せるため、パスの照合を回避する経路になり得ます。
今すぐ確認したいこと
- 2.1.275 でゲートウェイやプロキシ経由なら、2.1.276 以降に更新する
-
AGENTS.mdがありCLAUDE.mdがないリポジトリでは、v2.1.277 以降で読み込み対象が変わる点を把握する - 逆に両方置いているなら、既定では
AGENTS.mdが読まれないことを確認する(必要ならclaude-md-and-agents-md) -
evalやenv -Cを含むコマンドを deny 前提で運用していた場合、2.1.273 以降は確認に戻っている前提で見直す - 自動圧縮が早すぎると感じていた場合、2.1.273 以降で改善しているか確認する
- claude.ai のスキル・プラグインをターミナルに同期したくない場合は
syncClaudeAiSkillsとsyncClaudeAiPluginsをfalseにする
まとめ
- Claude Code v2.1.277 が
AGENTS.mdの直接読み込みに対応。CLAUDE.mdがないリポジトリで有効になる - 既定は
claude-md-or-agents-md。両方読ませるには/configの Project instructions を変える - 2.1.268 の deny ルール変更は 2.1.273 で差し戻された。先週の本まとめの記述を訂正する
- 2.1.275 はゲートウェイ経由で全リクエストが 400 になるリグレッションがあり、2.1.276 で修正
- Codex 0.155.0 は実験的な
/voiceと MCP の Touch ID 確認を追加。0.155.1 は推論サマリーの既定を元に戻す修正 - Gemini CLI 0.60.0 はセキュリティ修正が中心で、MCP OAuth の RFC 9207 強制や拡張機能の境界検証が入った
よくある質問
- Claude Code は AGENTS.md を読むようになったのですか?
- はい。v2.1.277 以降、作業ディレクトリとその上位に CLAUDE.md がないプロジェクトでは AGENTS.md を読みます。両方ある場合は既定で CLAUDE.md だけを読みます。
- 先週の記事で紹介した deny ルールの修正はどうなりましたか?
- 2.1.273 で差し戻されました。eval や env -C を含む解析できない Bash 行に Read・Edit の deny ルールを適用する 2.1.268 の変更が取り消され、そうしたコマンドは拒否ではなく確認に戻っています。
- 今週いちばん急いで上げるべきバージョンは?
- 2.1.275 を使っていてゲートウェイやプロキシ経由で接続している場合です。全リクエストが 400 で失敗する不具合があり、2.1.276 で修正されました。
参考にした一次情報
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